病気とワクチンのことや、日々感じたことを綴るなだクリ院長のコラムです。
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体温は、体からの熱の産生と熱の放散のバランスにより保たれています。熱を作るためには筋肉を収縮させたりします。寒いと体に力がはいって身震いしますよね。それは、寒いとたくさんの熱が体から奪われるために熱をたくさん作らなければいけないからです。逆に運動すると熱がたくさん作られるため、放散させないと体温があがってしまいます。熱を放散させるためには、汗をかいたり、血管を拡張させたりします。顔などが赤くなりますよね。これらは脳にある体温中枢によってコントロールされています。
よくお母さん方に熱により脳がダメージを受けないかとご質問を受けます。
体内に病原体が侵入すると、それらから身体を守るために白血球などの細胞がサイトカインという物質を出し、仲間を呼んだり、体内環境を変化させます。そのひとつが、体温の上昇です。つまり、発熱は病原体から身体を守るための生体反応なのです。脳の体温中枢が身体にとってメリットになるよう、筋肉を収縮させたり(悪寒)、血管を収縮させたり(手足の冷感)して意図的に体温を上げるようにコントロールしているのです。そのため、このコントロールされた発熱の影響で脳の機能が障害されてしまうことはありませんので安心してください。
また、悪寒、手足の冷感があるときというのは、身体を守るために脳が体温をもっと上げたいときですので、そのときに解熱剤を使用するのは避けてくださいね。
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<1> 鼻やのどへのウイルスの感染が原因です。
<2> 自然に治るもので、かぜ薬で治るものではありません。
<3> 抗生剤は効果がありません。
<4> 不要な抗生剤は、下痢などの副作用によりこどものQOLを下げることになります。また、薬が効かない耐性菌を生み出す危険があります。
<5> 発熱はウイルスを倒すための防御反応であり、発熱自体が悪いものではありません。
<6> 解熱・鎮痛薬は、熱を下げることでメリット(例:眠れるようになる、水分がとれるようになる)が期待できる場合に頓服として使いましょう。熱が高くても、まずまず元気がある場合は使わなくても大丈夫です。
<7> 普通は2-3日で解熱します。症状の持続(4日以上)や悪化が見られるときは診察が必要です。
<8> かぜに紛れこむ重症感染症の予防に経口抗菌薬が処方されることがありますが、効果はあまり期待できず、また診断の遅れにつながります。
抗生剤の内服よりも慎重な経過観察のほうが大切です。
<9> うがい、手洗いでかぜを予防しましょう!
人には病原体の侵入から身体を守る高度に発達した免疫システムが備わっていますので、風邪などの一般的なウイルスの感染症は、ほとんどが自分の力で治ります。薬で治っているのではないんです。かぜ薬は、症状を和らげる作用しかありませんし、あまり効果が期待できないものも多く存在します。また、かえって症状を長引かせてしまう薬すらあります。当院では、こどもが自分の力で病気を治すのに必要なことを選択、提案し、サポートしていきますので、お気軽にご相談ください。
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